不妊で悩んでいる方へ希望を与える。卵子ドナーの存在

妊娠の確率は100%ではありません。健康なカップルが排卵日のタイミングを予測して性交したとしても、妊娠確率は20~25%、1年間タイミングを見計って80%、2年で90%といわれています。タイミングを予測したとしても、精子と卵子が結合するかどうかはわかりません。そのため、妊娠することは当たり前のことではありません。また、健康状態、年齢、生活環境の変化などの影響を受けることにより、妊娠確率が下がる可能性もあり得ます。それに加え、最近の日本で問題となっているのが、不妊症に悩んでいる方、不妊治療を受けておられる方の増加です。このキーワードをインターネットで検索するだけで、関連記事や治療の経験談、不妊の悩みなどがたくさん出てきます。つまり、女性もしくはカップルにとって妊娠、出産は非常に関心の高い出来事であり、多くの方が赤ちゃんの誕生を望んでいるのです。

卵子ドナーとは

では、不妊症に悩んでいる方や、不妊治療を受けている方、特に自分の体が原因(排卵障害、子宮筋腫、子宮内膜ポリープなど)で子供が作れない方が妊娠するための方法はあるのでしょうか。あります。一つの方法は、卵子(エッグ)ドナーの力を借りることです。卵子ドナーとは、卵子を自分の体で作れない女性の代わりに、卵子を提供する第三者のことです。提供された卵子と、ドナーを依頼したカップルの男性側の精子を体外受精させ、女性(依頼者)の子宮の中に受精卵を戻し、出産を促します。

卵子ドナーに関する疑問

卵子ドナーについてもう少し詳しく説明しましょう。ここからは質問と答えという形式で扱っていきます。

卵子ドナーの制度は日本に存在しているのでしょうか。 特定の代理機関に登録することにより、自分の卵子を提供することはできます。ただ、日本での提供は、法律が定まっていないため難しく、海外での提供となる可能性が高いです。卵子提供のために渡航する場合、それに伴って発生する費用は、依頼者に請求することができ、卵子提供後に報酬が支払われる場合もあります。

卵子ドナーは自分の卵子を取り出して依頼者に提供するわけですが、他の人に卵子を提供すると、自分が妊娠できなくなったり、子供ができにくくなることはあるのでしょうか。その心配はありません。

では、自分の卵子を提供すると、自分の卵子の数が減ってしまうのでしょうか。 いいえ。減ることはありません。女性は生まれた時から卵巣内に200万個の卵を持っているといわれており、卵子は年齢を重ねるごとに減少していきます。しかし、減少して無くなる予定だった卵子を採卵し、依頼者に提供しますので、自分の卵子が減ることはありません。つまり、無くなるはずの卵子を提供することにより、自分の卵子を有効活用しているというわけです。これらの理由から、卵子ドナーが卵子を提供したからといって、自分の卵子が無くなる、自分が妊娠できなくなる、子供ができにくくなることはないのです。

では、ドナーが卵子を提供した後、依頼者が妊娠し出産した場合、ドナーは生まれてきた赤ちゃんに会うことはできるのでしょうか。 自分の子供ではありませんが、卵子を提供しているので、依頼者の出産の報告は本当にうれしいはずです。しかし基本的にドナーと赤ちゃんが会うことはできません。ドナーが赤ちゃんに会いたい、赤ちゃんが大人になったときにドナーに会いたいと思っても、会うことはできません。またドナーの個人情報も生まれてくる子供や依頼者に知らされることはありません。

今回は卵子ドナーに注目してきました。卵子ドナーを経験された方の動機を見てみると、友人が不妊により苦しんでいる姿を見て助けになりたかった、他の人の役に立ちたいなど、同性同士だからこそ、よく理解しあえる感情や悩みを解決したい、助けになりたいという気持ちから、卵子提供をすることにした方が多く見られました。提供する側も提供される側も、同じ目的のために頑張るわけですから、その努力が報われることを願っています。